悪人成仏・女人成仏

 

    すべての人の成仏が可能となるのは、法華経・南無妙法蓮華経のみ!

 

 悪人成仏と女人成仏は、共に法華経『提婆達多品第十二』に説かれる法門で、法華経以前の爾前経(にぜんぎょう)では成仏できないとされてきた悪人や女人が、法華経によって初めて即身成仏できるという教えです。

 

 中国の天台大師の『法華文句』に

 「法華経以外のお経には、菩薩だけが成仏でき、それ以外の仏道修行者(二乗)は、どんなに修行をしても成仏はできないと教えている。ただ善人だけに成仏を許し、悪人には成仏は許されていない。ただ男性だけに成仏が許され、女性は成仏できないと教えている。ただ人や天上世界の衆生には成仏を許し、動物の成仏は教えていない。これらに対して、法華経だけが、すべての成仏を可能としている」(趣旨 法華文句記会本 中458)

とあります。他経(法華経以外のお経)では、菩薩・善人・男は成仏の記莂(きべつ=成仏の確約)を授かることができましたが、声聞・縁覚の二乗(にじょう)と悪人・女人は、成仏できないとされていました。今経(法華経)に至り、十界互具(じっかいごぐ)・一念三千の法理が明かされたことにより、悪人や女人を含む一切衆生(すべての人)への成仏の道が開かれたのです。

 

◇悪人成仏について◇

 悪人とは悪事を働いた衆生という意味です。

 悪事とは十悪(殺生・偸盗(ちゅうとう=ぬすみ)・邪淫(じゃいん=道徳に反する性の交わり)・妄語(もうご=ウソ)・綺語(きご=虚言)・両舌(りょうぜつ=二枚舌)・悪口(あっく)・貪欲(どんよく=異常なむさぼり)・瞋恚(しんに=怒り)・邪見(じゃけん=悪い考え))や五逆罪(殺父・殺母・殺阿羅漢(悟りを開いた僧を殺害する)・出仏身血(すいぶっしんけつ=仏を傷つける)・破和合僧(はわごうそう=仏教団体の和を破壊すること))を犯した人や、法華経を誹謗(ひぼう)する謗法(ほうぼう)の者をいいます。

 爾前経(法華経以外のお経)では、これらの悪人は絶対に成仏できないとされ、たとえ慈悲深いとされる阿弥陀仏の救済からさえも、この悪人は漏(も)れてしまうと『無量寿経』(念仏のお経)に説かれているほどです。

 

 ・提婆達多の成仏

 法華経『提婆達多品』で成仏することが許された悪人の提婆達多(だいばだった)という人は、釈尊の従弟(いとこ)で、もともとは釈尊の弟子でした。しかし、師匠である釈尊に嫉妬(しっと)して教団を去り、釈尊の代わりに自身が仏として人々に崇(あが)められようと、仏教教団の分裂を企(くわだ)て(破和合僧)、蓮華比丘尼という女性の僧を殺害(殺阿羅漢)し、釈尊をも殺そうとして怪我を負わせる(出仏身血)など、三逆罪の悪業をなし、生きていながらにして即刻、地獄へ墜(お)ちた大悪人とされています。

 法華経『提婆達多品』で釈尊は、自身と提婆達多との過去世の因縁を明かします。すなわち、釈尊は過去世に、ある国の国王だったとき、王位を捨てて千年間もの長い間、阿私(あし)仙人とは提婆達多の前世の姿であり、もと提婆達多は釈尊が成仏するための大切な師匠(善知識)だったというのです。法華経で釈尊は、こうした提婆達多との縁を示し、提婆達多が未来には必ず成仏するという記莂(成仏の確約)を与えることで、どんな悪人であっても、仏の真の法(法華経)を信じれば成仏することを示しました。

 

◇女人成仏について

 『提婆達多品』では続いて、竜女が成仏した事に寄せて、女人(女性)の成仏が説かれています。

 竜女とは、娑羯羅(しゃかつら)竜王の八歳の娘で、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)が竜宮(りゅうぐう)で法華経を説法した際、その教えを聞いて成仏した娘であると説明されています。日蓮大聖人は

 「竜畜下賤の身たるに女人とだに生まれ、年しぇいまだたけず、わずかに八歳なりき」(祈祷抄 御書626)

と仰せです。竜女は女性であると同時に、蛇身の動物でもあり、さらに八歳と年少でしたから、深い仏法の道理を悟ることなど到底できません。しかし、そんな竜女を、文殊菩薩が法華経によって成仏させたと聞いて、釈尊の弟子たちは大いに疑念(ぎねん)を懐きます。たとえば、智積(ちしゃく)菩薩は

 「釈尊は、無量劫という長い年月、難行苦行をおこなって功徳を積み重ね、衆生を救済するために身命を捨て、それによってようやく成仏したとされているというのに、八歳の、しかも竜の女の子が成仏できたなど、到底信じられません」(趣旨 法華経366)

と述べています。また、釈尊の一番弟子である舎利弗(しゃりほつ)尊者も竜女に向かって、

 「あなたが、わずかの時間に成仏することができたというのは、俄には信じられません。これまでの釈尊の教えによれば、女性は穢れており成仏の器ではないとされます。しかも五障という成仏の妨げもありましょう。どうして、速やかに成仏できたというのでしょうか」(趣旨 法華経367)

と疑問を呈します。

 これに対して竜女は、みずからの成仏の証拠として、三千大千世界(宇宙法界)と同じ価値があるとされる宝珠(ほうじゅ=宝)を釈尊に御供養し、釈尊も、竜女の志を汲んで、その供養を受け取ります。そして竜女は、みずからが成仏するのにかかった時間は、今、釈尊に御供養を捧げるためにかかった時間よりもさらに短く、その場にて話を聴いている人々に、「実際、私が成仏している姿を、神通力をつかって御覧なさい」と述べます。すると、その場にいた人々は、竜女が即身成仏を遂げ、南方無垢(むく)という名の世界で法華経を説法し、その世界の人々を成仏へと導いている姿を、あたかもテレビを見るように拝することができました。それを垣間見た人々は、「すごい!」と、多いに喜びの心を生じます。そして、すでに成仏して人々を救っているという竜女に向かって合掌礼拝し、ようやく、法華経の功徳により、竜女が成仏した事実を信ずることができたのです。

 日蓮大聖人は『千日尼御前御返事』に

 「竜女という小さな蛇の女の子を、その身そのまま成仏させた法華経という教え。この法華経を信心する時こそ、すべての男性が成仏することを疑う者は、ひとりもおるまい」(趣旨 御書1250)

と仰せです。つまり、法華経によって女性が成仏することができた以上、さらに男性が成仏できないはずはない。こうして、すべての人が、平等に成仏できる教え、それはまさに法華経の南無妙法蓮華経以外にはない、ということなのです。

 

◇生命の実相(真実のあり方)は十界互具 法華経のみの教え

 私たちの命は十界互具(じっかいごぐ)といって、仏界から地獄界までの、すべての生命を具えています。したがって、人界のみならず地獄界・畜生界など、十界すべての生命が成仏できなければ、私たち自身の成仏も、理論上は不可能となってしまうのです。

 『開目抄』には

 「今、法華経の時こそ、女人成仏の時、悲母の成仏も顕はれ、(提婆)達多の悪人成仏の時、慈父の成仏も顕はるれ。此の経は内典の孝経なり」(御書563)

とあるように、竜女成仏や提婆達多の成仏により、過去の先祖にも成仏の道が開かれるのであり、法華経こそ真実の孝養(こうよう)が叶(かな)う最高の経典であることを教えられています。

 また『千日尼御前御返事』には

 「法華経計りこそ女人成仏、悲母の恩を報ずる実の報恩経にては候へと見候ひしかば、悲母の恩を報ぜんために、此の経の題目を一切の女人に唱へさせんと願す」(御書1251)と、女人成仏の法華経を一切の女人に弘めていくことが、母に対する最高の報恩の道となる旨を教示されています。

 

 こうした意義を、世の中の多くの人は、知る術がありません。実際に、女人の成仏が許されない念仏の教えを弘めている念仏宗の僧侶自身が、「女人が成仏できないという教えは、現代では通用しないから、そうしたことは説法しない。まったく触れないで、寺の檀家さんたちには、違う話をしている」とさえ言う始末です。

 「少なくとも、仏教を信ずる以上、経典に書かれていることを基本として理解することができなければ、それは真実の仏教とはいえない」と語り、法華経へと導くのが破折を基とするのが「折伏」です。折伏は「他宗の悪口」を言うことではなく、「他宗の考えの間違っているところを指摘し、真実の法華経へ導く慈悲の振る舞い」であることを、私たち自身も、しっかりと認識することが大切です。

 

 すべての人が平等に成仏できる唯一の法華経、すなわち大聖人様の南無妙法蓮華経の大法、その御当体は大御本尊にましますのですから、この本門戒壇の大御本尊の大法を世界中に弘めるため折伏に身を挺していくことが、真の両親への孝養となると理解し、一層、妙法受持の信心、自行化他の実践に励んでまいりましょう。

 

※上記文章は、「大白法」(令和5年4月16日号)掲載の「仏教用語の解説 悪人成仏・女人成仏」の記事文に、編者が一部に手を加え、読みやすくしたものです。

 

毎月の行事

 

  ● 先祖供養 お経日  

      14:00/19:00

※日程変更あり・要確認

 

第 1    日曜日 

  ● 広布唱題会      

      9:00

 

第 2    日曜日 

    ● 御報恩 お講  

            14:00

 

お講前日の土曜日  

     ●お逮夜 お講   

            19:00

http://www.myotsuuji.info