日蓮大聖人の信仰とは直接関係はありませんが、永遠不滅の生命観(三世常住)を理解していくための、ひとつのヒントとして

 

 「輪廻転生」と科学

 

 輪廻(りんね)転生(てんしょう)は実在するのでしょうか? 

 仏教の宇宙観・生命観では当たり前のように語られてきた現象ですが、現代科学では、いまだに「迷信の域を出ない」として、退けられる傾向にあります。
 しかし、この度、前世の存在を裏付けるような研究結果が発表されました。この研究結果を、ただちに受け入れることはできませんが、法華経では確かに輪廻転生・六道輪廻・死後も娑婆国土に生命は生き続けることが説かれており、そうした法華経の実理を信じていく一つの糧として、以下に目を通していただければと思います。

 

■意識は前世の記憶を引き継いでいる
 英紙「Express」(2月4日付)によると、米ヴァージニア大学医学部精神科のジム・タッカー博士は、全米各地で“前世の記憶を持つ”とされる子供たちに、15年間にわたってインタビューを続けました。その成果は、経験したはずもない出来事の記憶などを持つ2500人もの子供の記録を収録した著書『Life Before Life』にまとめられています。
 タッカー博士によると、意識(心)の正体は「量子レベルのエネルギー」であるため、輪廻(りんね)転生(てんしょう)の説明は、科学的でも十分に可能であるといいます(エネルギーは、抱え込まれていた器=肉体が滅したとしても、肉体から離れた所で存在し続けることの証明)。

 現代では、多くの科学者も、「人間の意識」の謎を解く鍵は「量子力学」が握ると信じており、例えば、米「タイム」誌の「世界で最も影響力がある100人(2014年度)」に選ばれた再生医療の専門家ロバート・ランザ博士も「生命中心主義」を標榜しています。これは、物質ではなく「生命と意識」こそ現実(実相)を理解するのための基礎的要素であるということで、意識とは「肉体的な死」とは別物である上、「脳が意識を生み出しているわけではない」と主張しているのです。

 

 タッカー博士も「生命中心主義」のテーゼを受け入れ、意識は肉体の死後も生き残り、次の宿主の意識として活動すると語っています。博士は
 「量子論の創始者であるマックス・プランクなどの科学者は、物質よりも意識が基本的であると語りました。つまり、意識は脳が生み出したものではないのです。脳や肉体の死後も、個人の意識は生き残り続けます」
「ですから、意識は前世の記憶を保ったまま、次の人の脳に張り付くのです」
と語っています。

 

■前世の記憶を持つ少年
 輪廻転生の証拠として博士は、前世の記憶を持つジェームズ・レイニンガー君(当時2歳)をあげています。
 ジェームズ君は、幼少の頃から飛行機のおもちゃに異常な執着心を持ち、飛行機事故の悪夢をよく見るという不思議な経験を繰り返していました。そこで、タッカー博士はジェームズくんに悪夢について尋ねたところ、
 「自身はパイロットで、とある船から飛び立った」
と語ったといいます。さらに父親がジェームズ君に詳細を尋ね続けていくと、Natomaと呼ばれる船から出撃したこと、硫黄島で撃墜されたこと、ジャック・ラーセンという友人がいたことまで克明に記憶していたというのです。
 その後の調査で、第二次世界大戦当時、確かに「USS Natoma Bay」と呼ばれる航空母艦が配置されており、硫黄島の戦闘にかかわっていたことが判明しました。その上、ジェームズ・ヒューストンという男性の戦闘機が、ちょうどジェームズ君が描写した通りの状態で撃墜されていたことまで記録されていたというのです。

 まさに、「前世の存在を裏付ける証言」とも言えますが、ジェームズ君の記憶は7歳頃までに、すっかり消えてしまい、現在は全く覚えていないといいます。博士によると、多くの場合、5歳~7歳頃で“前世の記憶”とされるものが消えるのが一般的ということです。

 

 輪廻転生が存在するとなれば、前世の因縁や人間関係が現在の人生に大きく影響を及ぼしていることにも納得できるかもしれません(世間でも、「もってうまれたもの」とか「先祖代々、背負ってきているもの」などと表現することもあります)。実際、長いスパンを持った生命観(輪廻転生・六道輪廻)は、数千年前から仏教では当たり前のように説明されてきた基本的な生命論なのです。

 

 日蓮大聖人は『心地観経』の「過去の因を知らんと欲せば、其の現在の果を見よ。未来の果を知らんと欲せば、其の現在の因を見よ」との言葉を引用し、現在の我々の生活や人生、抱える金銭問題や健康問題などは、過去の振る舞いの結果である。また自分が死んで、遠い将来に生まれ変わったとき、めぐまれた環境に生きることができるのか、もっと苦しい家庭環境に生まれ、現世よりも一層、辛い人生を歩んでいかねばならないのかは、現世での信仰や生活態度、他人への気配り等に、すべてかかっているんだぞ」と教えられています。

 

 ついに現代科学も「目に見えるものだけしか信用しない」という固定観念を打ち破り、広大無辺な“生命の不可思議な実相”=妙法の世界に、一歩、足を踏み出す準備が整ったといえるのではないでしょうか。

 

     TOCANA電子版 2017.2.8付記事に、一部筆者が追記しました

 

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